貧血の見方
- 2024年12月29日
- お知らせ
今日は貧血の見方を学んだので自分のout putもかねて、ブログにupしたいと思います。
まずは、
・貧血の定義とは?
「末梢血中の赤血球数、Hb濃度(ヘモグロビン)、Ht(ヘマトクリット)が基準値よりも低下した状態」を指します。
その中でもHbが、もっとも良い指標となります。
・基準値とは?
小児および妊婦→Hb濃度11 g/dl以上
思春期および成人女性→12 g/dl以上
成人男性→13 g/dl以上
・貧血のアプローチは2通り
①機序に着目
②MCVに着目
実際にはこの2つを組み合わせて考える!
①機序に着目
赤血球は骨髄で作られます。骨髄中で様々な刺激を受けて造血幹細胞は網赤血球となり末梢血中にでてきます。網赤血球は末梢血にでてきてから24-48時間で赤血球に変化します。
産生には1週間程度、赤血球が体内を循環するのは約120日といわれています。
貧血の原因としては、産生の低下or破壊の亢進です。
・産生が低下しているか?破壊が亢進しているか?見分けるのは?
末梢血中の網赤血球数に着目します。安定している状態のときの末梢血中の網赤血球は1%程度です。網赤血球数の絶対数や、割合、Reticulocyte product indexに着目します。
増加している場合は、赤血球の産生が亢進している状態となるので、末梢血で破壊がすすんでいることになります。また、破壊が進んでいるとき網赤血球数以外に、ハプトグロビン(破壊された赤血球から逸脱したHbを肝臓に運搬するトラックのようなもの)の低下も参考になります(感度・特異度ともに高い)。
具体的な鑑別は、溶血性貧血や出血などです。
低下している場合は、産生自体が低下しています。
②MCVに着目
主に産生が低下している場合に、MCVに着目します。
・小球性貧血(MCV<80)→鉄欠乏性貧血やサラセミア、鉄芽球性貧血など
・大球性貧血(MCV>100)→VitB12欠乏や葉酸欠乏など、溶血性貧血の時に増える網赤血球を認識してMCVが大きくなることがある
・正球性貧血は鑑別がさまざま
まとめると
貧血→網赤血球数を確認→増加:溶血所見があるか?(間接ビリルビン上昇、LDH上昇、ハプトグロブリン低下など)赤血球形態異常があるかを確認
網赤血球数低下:MCVを確認して鑑別
となります。学生以来の復習になりました~!